paw prints

だれかの足跡

2015.5.13

夏になると麦茶がおいしい。早く帰った日の夕食前のシャワーが気持ちい。ほかほかのからだでたべるゴーヤチャンプルーがおいしい。幾つになっても扇風機で宇宙人ごっこをするのをやめられない。

こんばんは。ぬるい麦茶が好きな私です。台風がくるぞ、なんていって季節の前倒しがすごいなぁと思っていたけど途中で台風も消えちゃいました。さすがに早すぎるって空気をよんだのでしょうか。

それはそうと年々季節が曖昧になってきていておそろしい。日本の四季は定義しなおされてしまうのではと危惧しています。これから地球がどうなるかも日本の四季の行く末も私にはわからない。でももし四季がなくなってしまっても、未来の子どもたちに四季がどんなのだったか教えてあげれるようになっていたい。だから日々、感性を研ぎ澄まして季節の色や匂いをとらえるとこに真剣なんです。

四季をとらえ表現すること。これに関しては、きっと、昔、四季をよんだ清少のなんちゃらさんにかなうことはできない。でも、四季を愛するきもちは負けないつもりです。そう、夏は麦茶がおいしいんだ。




清少納言は麦茶を知っているか



彼をみつめる 瞬きをして 

またみつめる

そこにいるのは誰かと不思議になる

ふれてみる 確かに彼がいる

手を離す

彼が誰かわからなくなる

恐ろしくなって

思わず彼を抱きしめる

つよく つよく

抱きしめられて

ようやく気づく

彼は彼だと

みて ふれて ねつをわけて

おしえて


✳︎

時々、目の前にいる人がいったい誰なのかわからなくなるときがあります。わかるけど、わからない。そんな感じ。場面によって人間はきっと、いろいろな自分を無意識に使い分けてるんだと思います。もちろん私もしていると思います。でも、私はシーンを切断して相手を認識するのが苦手なんです、たぶん。だから、あれ、この人こんな人だっけ?あれ、こんな表情の使い方するっけ?って不思議になるんです。切り替えが下手なバカなのか、ただ頭がおかしいだけなのか私にもわかりません

でも、単純なのでぺちぺち触って、体感できれば、ふむふむ、ぁあ、君だ。君だ。ってすぐ安心するんです。彼を彼だと1番認識できるのはその体温であると今のところ思うわけです。つくづく自分は直感的な人間だと我ながら呆れてしまいます。




きみのねつ

無題

初夏にもなっていないというのに喫茶店のなかは少し蒸している。アイスコーヒーの冷たさが奥歯にしみる。彼女は目の前でアイスティーのグラスをゆらしている。カラカラと氷がまわる。水滴が彼女の華奢な指を濡らす。僕はその指を普段握っている彼奴を思い出してしまった。

「ねぇ、彼のどこが好きなの?」
ぴたりと氷のまわる音がとまった。彼女はゆっくり瞬きをして僕を見つめる。
「いきなりだね、どうして?」
「なんとなく、なんとなくだよ。」
彼女は手元のアイスティーへと視線を落とす。僕は彼女をみつめる。どうか、どうか…そんな期待がグラスを握る手に力を込めさせる。
「そうだね…。彼は優しい。」
「優しいところが好きなの?」
彼女はゆっくりと首を振る。カラン、と僕の手の中で氷が音を立てた。
「優しいから好きなんじゃない。ただ、彼といると優しい気持ちになれるの。だから彼といるの。だから彼が好きなの。」
彼女は顔を伏せたまま、もう一度ゆっくりと瞬きをした。その瞼の裏にはきっと彼奴の姿がくっきり浮かんでいるんだろう。
「そっか。ただでさえ暑いのにもっとあつくなっちゃたよ。」
彼女は恥ずかしそうに微笑んだ。

僕は氷の溶けたアイスコーヒーを一気に飲み干した。ぬるい苦みが口の中に広がる。思わず僕はグラスに残った氷を噛み砕いた。やっぱり冷たい氷が奥歯にしみた。


彼女が彼を好きな理由

2015.4.30

日が暮れるのが遅くなりました。

六時半を過ぎてようやく空がうっすら赤く色づいてきます。季節の移り変わりを教えてくれるもののうち空の色を外してはいけないと思います。春の夕陽は優しく美しい。あわい水色にやわらかな赤色。ふんわりと、でも確かに輝く白。

空ほど儚く美しい絵画はないと私は思います。


学校帰りの電車からみえる4月の空は今日で最後になりました。ちょっとさみしいな。来年の今頃はなんの電車に乗って何処に通っているのかな。マイペースで計画性のない私はちゃんと働けているか心配です。来年の4月の私はこの文章を読んでどんな顔をするのか少し気になります。


最近では毎日乗らなくなった近鉄奈良線ですが、なかなかに思い出深いものがあります。友だちといろんなことについて話し合った。くだらないことから、今でも忘れられないこと。それから、君ともっと一緒に乗っていたいと思ったことも何回もあった。

「難波まで一緒に帰ろう?」冗談めかして君に言って困らせたことも何度とあった。一緒に乗っていたかったのは君とみたい景色があったから。生駒で降りてしまうとみられない景色がある。とっても綺麗な景色が。

今日の電車からみえる夕陽は一段と綺麗です。遠く遠くでじんわり交わる空の色は少し君に似ている気がする。やっぱり一緒にみたいと思いました。


最近気づいたのは君に似ているものがたくさんあるということ。でもそれは何でもかんでも君にみせたいと思って、君を思い浮かべているからだと分かりました。「四六時中考えているわけじゃないんだけどなぁ…。」なんていう言い訳ももう用意してあります。

「君は何かをみて私を思い出したことはありますか?」そんなことも少し勇気がでたらきいてみたいと思います。


今日で4月もおわってしまう。でも5月ははじまります。暦は留まることができないから大変だなぁ、なんてのんきな私は思ってしまいます。

だけど、私も前に進まないと。お天気がいいからってうたた寝ばかりしてちゃいけないんだ。


季節が移り変わるように

暦が巡るように

空がとめどなく流れるように

私もおだやかに歩んでいきたい



遠く遠くで交わる色



2015.4.27

深夜です。


不思議なことに気づきました。

だいきらい、と心の中で呟くと胸の奥がきゅうって軋むんです。

あなたなんてきらいだ、もう知ったこっちゃない、そう思って、パチリと瞬きすると頬をあついものが一筋伝うんです。



きっとにんげんは一番つきたくないうそを自分自身につくたびにむねの奥の深いところを悪魔にそっと掴まれてしまうんです。


気をつけないと。

赤い舌をした悪魔に掴まれた心臓を盗まれないように。


もうすぐ丑三つ時になってしまう。

怖い悪魔やおばけがきっとやってくる。嘘をつくのをやめて大人しく寝なければいけないのです。




嘘と赤い舌の悪魔


2015.4.26

きのこ帝国の佐藤さんの声が心地いい。


外は空がスコンと抜けたように快晴。それなのに私はというと、心に溶けた鉛を流し込んだみたいに重く落ちている気がする。

春に初夏の匂いが混じってる。
いい天気ってすごく好きになれる日もあれば、自分にとってとても残酷に感じる日もある。


「なんてことだ、私はこんなにもすっきりしないっていうのに、ちくしょう、空だけバカみたいに晴れやがって。」
そんな暴言をすっきり晴れた空に
八つ当たりみたいに投げかてやりたくなる。

知らんぷりしてそよそよ吹く風。
だれにも相手にされてない気がして、せめて音楽だけは自分の味方にしたくて…。
そういう時に佐藤さんの声は優しい。もちろん彼女にもいろんな歌があるから枠に押し込めるのは申し訳ないのだけど。

でも、
優しいのにどこか憂鬱で
強い彼女の声に慰められる。
そんな日です。



やらなきゃいけないことも
やりたいことも
確かめたいことも
言いたいことも
ききたいことも
出来ていない。


自分をこれ以上嫌いになる前に
どうか君から歩み寄ってほしいと
結局他人任せにしてしまう。
そんな自分がもっと嫌になるけど
勇気もでないから
ベットに寝そべったまま
全部投げ出して今日を過ごす。


麗らかに憂鬱な春の日に。

2015.4.26

思い切って。

はじめてみました。


まとまらない言葉ばかりが

並ぶと思うけれど

言葉をあれこれ並べる時は精神衛生があまり良くないときだけど、

そうでないときも

言葉をちゃんと残せるようになりたくてはじめてみました。