paw prints

だれかの足跡

2015.10.7

こんばんは。

突然ですが、私は料理が好きです。
1人でぱぱっとつくって満足することもあります。でも私が料理を好きになったのは、自分のしたことでまさにその人が喜んでくれるのが嬉しくてしかなかったからです。小さい頃、祖母に不恰好な玉子焼きをせっせとつくっては食べてもらっていました。おいしいおいしいと笑ってくれるその優しい笑顔が大好きでした。
おばあちゃんのその笑顔をもう見ることはできないけど、いま、私には、私の料理を美味しそうに食べてくれる人が出来ました。褒めるのが下手なあの人は、恥ずかしそうに美味しいと言ってくれます。毎日食べたいなぁ、なんてぽつりと彼が呟いた時は小躍りをしたくなるほど嬉しかった。

きっと、料理には物語がある。一皿一皿、出来上がる過程にも、食卓の中心にあるときにも。食べてしまえば料理はなくなってしまうけれど、それに付随する優しい記憶はこころに残っていく。
なかなか終わらない買い出し、狭いキッチンにぎゅうぎゅう詰めのふたり、多すぎる味見、完食された器たち。
きっとありふれている。でも、とてもしあわせなこと。
ささやかであたたかな物語を少しずつ重ねていきたい、そう思いました。




ラタトゥイユはいかが?