paw prints

だれかの足跡


彼をみつめる 瞬きをして 

またみつめる

そこにいるのは誰かと不思議になる

ふれてみる 確かに彼がいる

手を離す

彼が誰かわからなくなる

恐ろしくなって

思わず彼を抱きしめる

つよく つよく

抱きしめられて

ようやく気づく

彼は彼だと

みて ふれて ねつをわけて

おしえて


✳︎

時々、目の前にいる人がいったい誰なのかわからなくなるときがあります。わかるけど、わからない。そんな感じ。場面によって人間はきっと、いろいろな自分を無意識に使い分けてるんだと思います。もちろん私もしていると思います。でも、私はシーンを切断して相手を認識するのが苦手なんです、たぶん。だから、あれ、この人こんな人だっけ?あれ、こんな表情の使い方するっけ?って不思議になるんです。切り替えが下手なバカなのか、ただ頭がおかしいだけなのか私にもわかりません

でも、単純なのでぺちぺち触って、体感できれば、ふむふむ、ぁあ、君だ。君だ。ってすぐ安心するんです。彼を彼だと1番認識できるのはその体温であると今のところ思うわけです。つくづく自分は直感的な人間だと我ながら呆れてしまいます。




きみのねつ