paw prints

だれかの足跡

2015.4.30

日が暮れるのが遅くなりました。

六時半を過ぎてようやく空がうっすら赤く色づいてきます。季節の移り変わりを教えてくれるもののうち空の色を外してはいけないと思います。春の夕陽は優しく美しい。あわい水色にやわらかな赤色。ふんわりと、でも確かに輝く白。

空ほど儚く美しい絵画はないと私は思います。


学校帰りの電車からみえる4月の空は今日で最後になりました。ちょっとさみしいな。来年の今頃はなんの電車に乗って何処に通っているのかな。マイペースで計画性のない私はちゃんと働けているか心配です。来年の4月の私はこの文章を読んでどんな顔をするのか少し気になります。


最近では毎日乗らなくなった近鉄奈良線ですが、なかなかに思い出深いものがあります。友だちといろんなことについて話し合った。くだらないことから、今でも忘れられないこと。それから、君ともっと一緒に乗っていたいと思ったことも何回もあった。

「難波まで一緒に帰ろう?」冗談めかして君に言って困らせたことも何度とあった。一緒に乗っていたかったのは君とみたい景色があったから。生駒で降りてしまうとみられない景色がある。とっても綺麗な景色が。

今日の電車からみえる夕陽は一段と綺麗です。遠く遠くでじんわり交わる空の色は少し君に似ている気がする。やっぱり一緒にみたいと思いました。


最近気づいたのは君に似ているものがたくさんあるということ。でもそれは何でもかんでも君にみせたいと思って、君を思い浮かべているからだと分かりました。「四六時中考えているわけじゃないんだけどなぁ…。」なんていう言い訳ももう用意してあります。

「君は何かをみて私を思い出したことはありますか?」そんなことも少し勇気がでたらきいてみたいと思います。


今日で4月もおわってしまう。でも5月ははじまります。暦は留まることができないから大変だなぁ、なんてのんきな私は思ってしまいます。

だけど、私も前に進まないと。お天気がいいからってうたた寝ばかりしてちゃいけないんだ。


季節が移り変わるように

暦が巡るように

空がとめどなく流れるように

私もおだやかに歩んでいきたい



遠く遠くで交わる色