paw prints

だれかの足跡

2015.6.14

陸に打ち上げられた魚は尾ひれをばたつかせてみた。彼は呼吸の仕方が分からなくなって思わず叫ぼうとした。しかし、息も声も泡にさえなってくれず、只々目を見開き、見たこともない眩しい光に絶望するしかなかった。

こんばんは。梅雨の気圧の変動にまんまとやられてしまいました。人間のからだとは良く出来たもので、環境の変化や精神の状態をしっかりと反映してしまう。最近の私はというと、めまいに悩まされる日々を送っています。目が回るというのは不思議で自分がどこにいるのかわからなくなる。いっそ宇宙にでもいってしまえれば楽なのに。そんな風に思う。

前途多難。かみさまは乗り越えられない試練は与えないと聞いたことがある。未来の見通しのつかないなかで、ただ思うのは呼吸を止めてはいけないということ、それだけ。呼吸の難しさを知ってわかった。吸って吐く。そんな単純なことに私のいのちは守られ、支配されていると。「息苦しい」とは「生き苦しい」ことなのかもしれない。生き苦しい人はきっと呼吸の仕方を忘れてしまったのだろう。

人間は息を続けなくてはならない。吸って、吐く。この恐ろしくも単純で難しいことを私はあと何度繰り返すのだろうか。



呼吸を忘れた魚